止まらない物価高、上がらない賃金、ステルス増税と、家計はますます逼迫するばかり。救世主としていま見直されているのが、お金の動きが一目でわかる家計簿だ。
「どんぶり勘定でなんとなくやっていたら貯金を取り崩すことになってしまった」「カードの支払いを見たら『何にこんなに使ってしまったんだろう』と驚いた」という人は少なくないはず。しかも現実を直視せずに、そのまま放っておいたせいで、将来の不安もずっとつきまとうことに。そんな不安を解消し、節約力を身につけるために、まず必要なのは「正しく家計簿をつける」ことだ。
家計簿はアプリより紙
経済ジャーナリストの荻原博子さんは、家計簿の意義についてこう話す。
「家計簿をつけると物の値段がどう変化しているか、支出の内容がどう変化しているかが半年前、1年前と比べられるというメリットもあります。いろんなものが次々値上げして、どうしてこんなにお金が出て行くんだろうと考えたときに原因を探りやすく、解決策が見出しやすいんです」
アプリによる家計管理もにわかに注目を集めるが、紙に記入することこそ、節約にとって大切だという。
「家計簿アプリって結構いい加減なんです。つけている実感もなく、おろそかになりがち。自分で書いて記録することこそ、家計をしっかり把握できることにつながります。紙の家計簿をつけることをオススメします」(荻原さん)
家計簿をつけるメリットは週あたり、月あたり、そして年間収支も「一目でわかる」ところにある。家計簿・家計管理アドバイザーの平塚千晶さんもこう言う。
「アプリって意外と自由が利かないんです。カードと連携して便利という声もありますが、反映されるまでにタイムラグがあったり、項目が自分が思っているのと違うところに振り分けられたりして。『一目で家計が見てわかる』のは紙だからこそ。家計の全体像が把握できて、“コスパ”がいい家計簿を選んでぜひつけてみてください」
そこで本誌・女性セブンは、楽天ブックスなどで10~11月に人気ランキング上位だった家計簿10冊を、荻原さん、平塚さん、マネーライターのJさん、全国紙文化部記者Aさん、高校生の娘を育てる50代主婦Bさん、小学生2人の子育てに追われる40代のCさん、家計簿歴50年を超える70代主婦Dさん、60代の料理好き節約主婦Eさん、かわいいキャラクター大好き50代のFさんの9人の意見をもとに“最強家計簿”をランキング化した。
「節約力があがる」「一目で家計を把握できる」「毎日つける楽しみがある」「ページ単価のコスパ」の観点に注目した「本音採点のランキング」を来年の家計簿選びの参考にしてほしい。