“壁”を超えたことで予想だにしなかった地獄に見舞われるケースもあれば、あえて超えないことで幸せを手にした人もいる。
夫と死別したEさん(70才)が語る。
「夫の稼ぎは決して多くなかったため、年金額自体は多くありませんが、何事にも慎重だったから生命保険に入っていて家族のために4000万円を残してくれたんです。
もともと夫の会社は福利厚生が充実していて、月2万円の家族手当のほかにさまざまな補助が出たので、私は少しパートをする程度で夫の扶養家族のままでした。生命保険と遺族年金9万円があるので生活には困らず、ゆくゆくは夫の遺産で老人ホームに入るつもりです」
“壁”を超えるべきかどうかはそれぞれの家庭事情によって異なると北村さんが語る。
「夫の会社から家族手当が出ている場合はそれが手取り収入になるから、“壁の中”が得策です。ただし最近は家族手当を出す企業が減ってきたことを考慮すると、働いた方がいい場合もある。この先、人手不足で求人が増えるので、40代までの若い人は状況を問わず積極的に働いて、収入と年金を増やすといいでしょう」
※女性セブン2023年12月14日号