孫の成長とともにコストがかさむばかり
孫育てにかかわる中でまず頭を悩ませるのが、金銭的コストだ。食事やおやつ、小遣いやおもちゃなど、一つひとつは高額ではなくとも積み重なれば、大金になっていく。
子供3人が独立し夫と悠々自適な老後生活を送るはずだった都内在住の女性・Aさん(67才)は、孫への金銭的支援で老後計画が台無しになりつつあるという。
「コロナ禍で娘婿が失業。専業主婦だった娘がアルバイトをすることになり、保育園と小学生の孫2人を預かることになったんです。娘婿は職探しや短期の派遣で忙しく、学校のない休日は朝から夜まで預かるので3食分の食費がかかるうえ、娘夫婦もお迎えに来たついでにご飯を食べて帰るんですよ。
外に連れ出せばお菓子やおもちゃをねだられるし、光熱費もかさむ。気づくと生活費が月8万円も増えていました。老後資金で夫と郊外のマンションを買うのが夢だったのに、このままでは実現しなさそう」
孫の成長とともにコストがかさむばかりだと頭を抱えるのは、パート勤務のBさん(68才)だ。
「うちは一人娘に小中高の孫が3人。孫は全員お受験を経て私立の小学校に進学したため、幼稚園のときから娘に頼まれて塾や家庭教師の費用を援助しています。できのいい孫は自慢ではあるものの、どんどんかさむ教育費には正直うんざり。
年金は夫婦で18万円しかないのに、毎月娘に20万円の仕送りをするために仕方なくスーパーで働く始末。最近、高校生になった孫が“留学したい”と言い出して、震えあがっています」