高齢者が離れて暮らす子供や孫と一堂に会する機会も多い年末年始。二世帯や三世帯同居が当たり前だった昭和の時代に比べ、核家族が増えた現代では感慨もひとしお──と思いきや、実情は異なるようだ。
近年、日常的に孫と過ごす祖父母世代は増えており、2023年10月にWebサイト『ママソレ』が小学生~高校生の子供を持つ親300人を対象に祖父母と孫とのかかわり方について行った調査によると、「ほぼ毎日」あるいは「週に数回」孫とかかわりを持っている祖父母世代はおよそ35%にのぼった。
その背景には日本の共働き世帯がこの20年で1.5倍に増加したことが影響しているという。NPO法人「孫育て・ニッポン」理事長で、産前・産後アドバイザーの棒田明子さんが解説する。
「いまや子供がいる全世帯の7割以上が共働きで、25~39才の女性の就労率は8割を超えています。子育てをしながら働くことが当たり前になり、自分の親に援助を求める人が増えているのです。実際、実家近くに住んで母親に子供の世話をしてもらうのが、“共働き成功の鍵”だとママたちは言っています。
一方、祖父母世代全員がそれを受け入れられるわけではない。パートやアルバイトで生活費を稼ぎながら、自分の親の介護を担う人もいるのが現実。“孫育てに疲れた”と嘆く人は少なくないのです」
自分の生活だけで精一杯なのに、金銭的にも肉体的、精神的にも負担となる「孫コスト」がのしかかり、かわいいはずの孫が憎くなることがある。それは決してあなただけではない。