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街頭のニュース映像に内緒のデートシーンが映り込んでも文句は言えない? 弁護士が解説する「肖像権の侵害」にならないケース

 しかし、公共の場であっても、普通の人なら見られて恥ずかしく感じる状態などを撮影したり、公表したりした場合は、「みだりに利用」されたものとして肖像権の侵害になります。

 公共の場における現行犯逮捕を撮影して配信する「私人逮捕系ユーチューバー」が最近問題視されています。誤認逮捕であれば名誉毀損になりますが、そうでなくても、「公表されることによって社会通念上受忍すべき限度を超えて平穏に日常生活を送る被撮影者の利益を害するおそれがある」として肖像権侵害を認めた裁判例があります。

 娘さんの場合、公道の大勢の通行人のひとりとして撮影されたと思いますが、その場合、顔が特定できてもほんの一瞬でしょうから、「みだりに」撮影されたとはいえないでしょう。また特別なことがない限り、繰り返し閲覧されないので、肖像権の侵害には当たらないと思います。

 外出すれば他人に見られることは誰でも承知の上ですが、加えて、データとしてどこかに残ることも覚悟して行動する必要があります。情報社会に生きる以上、面倒ですがやむを得ません。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2024年1月1日号

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