投資

1000社以上の決算を継続調査するアナリストが注目 「決算説明書の変化」から見えてくる会社変革のシグナル

【1】バルニバービ(3418)

 外食事業を運営するバルニバービ(3418)は、チェーン事業を運営している大手外食企業と異なり、個店主義の展開を行っている。コロナ禍で他の大手外食企業と同様、業績面では苦戦したが、昨年から大手金融機関(SBIホールディングス)と提携するなど、不動産の取得と外食事業を組み合わせた展開を加速させてきている。

 そんなバルニバービが、今年3月に発表した2023年7月期第2四半期決算説明資料で始めたのが、「謎解き」スタイルだ。

バルニバービの2023年7月期第2四半期決算説明資料より

バルニバービの2023年7月期第2四半期決算説明資料より

 安藤文豪社長が考案したというこの説明スタイルは、多くの上場企業が中長期計画などで行っている未来チャートを詳しく示す説明方法はとらない。「投資家の皆様、ステークホルダーの皆様、一緒に推理と想像をしませんか?(新しい取り組みに挑戦します)」と「謎解き」をしてもらうことで、独自の事業展開のポテンシャルを評価してもらおうという斬新な試みとなっている。

 淡路島の海岸エリアで外食店舗開発を中心にした地域活性化に成功させた実績を持っていた同社だが、今年5月には、島根県・出雲で、外食店舗にとどまらず、ホテル開発も組み合わせた開発事業をスタートさせて、メディアが大きく取り上げるなど注目を集めている。

 地方自治体やSBIホールディングスのネットワークを活用した不動産開発を組み合わせた事業展開を今後も加速させていく方針で、「謎解き」の答えをどう見せていくのか注目だ。

【2】エスユーエス(6554)

 開発技術者派遣を行うエスユーエス(6554)は、11月14日に行われた2023年9月期の本決算発表時から決算説明会のデザインを変えた。さらに、創業者である齋藤公社長の出で立ちにも変化があった。これまではスーツとネクタイで登壇していたが、ネクタイを外し、カジュアルフォーマルなファッションで登壇している。

 数年前から、主力の技術者派遣に加えて、AR/VR事業の育成を進めてきていたが、同事業の実績が積み上がってきて、以前とは異なるステージに入ろうとしていることを社長自ら体現しているのかもしれない。これからどんな変革が進んでいくのか注視していきたくなった。

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