病気やケガを見逃す“医療ネグレクト”
在宅医療であれば、終末期の過剰医療は避けられるが、注意も必要だ。前出・岩間医師が言う。
「入院などのストレスがなく穏やかに過ごせることが多い半面、担当医の質が悪いと病気やケガを見逃す“医療ネグレクト”になる可能性があります。在宅介護を受けていた認知症の80代男性が、股関節骨折を見逃されていたケースがありました」
病に侵されると、自分の意思を正確に伝えられなくなることは十分に考えられる。そうなる前に、家族や周囲に終末医療の現実を知ったうえで自分の「意思」を伝えておく必要があるだろう。
「後悔しないためにも、元気なうちに家族や医師らと“いざという時”の対応を話し合うことが重要です」(同前)
人生後半戦は選択の連続だ。自らの体調と向き合って、“最良の道”を進みたい。
※週刊ポスト2024年1月1・5日号