総務省の「2018年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数約6241万戸に対して空き家は約849万戸だ。2033年には全体の4分の1が空き家になるという予測もある。
膨大な量の空き家を「負動産」と称して邪魔物扱いする向きもあるが、一般社団法人全国リフォーム合同会議の二宮生憲代表理事は次のように語る。
「全国にある空き家は大いなる資産です。不動産業界では、築年数が20年を超えた戸建ては無価値だなんて言い方をしますが、あれは木造住宅の税法上の耐用年数が22年と定められているからに過ぎません。築年数が20年だろうが30年だろうが、家はいつまでも価値を生みます」
二宮氏は、「人生100年時代は家も定期的に手入れをしていけば100年住むのが正しい選択だ」と言う。東京都在住の男性・Aさん(55)の証言。
「去年、父が亡くなり、千葉県にある実家の土地家屋を相続したのですが、私自身は東京都内のマンションに暮らしています。実家を更地にして土地の売却を考えていたのですが、28歳の息子が“住みたい”と言い出した。息子はリモートワークが徹底した都内のITベンチャーに勤めており、出社は月に一度程度。なので、都心に住む必要がない」
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