頭金なしの月5万円。20年かからずに完済できるケースも
そうしたケースで、前出の二宮氏は次のように提案したという。
「Aさんのご実家は4LDKで30坪。築年数が40年ほどの物件でした。内部は時々手入れをしていたのですが、外壁と屋根がかなり傷んでいたので、外壁の塗り替えで150万円、屋根に250万円、キッチン周りを100万円で直して、風呂場を100万円ほどでユニットバスに入れ替える。そうして約600万円ほどかければ、立派に住めるようになります。木造新築の建築費は坪単価100万円ほどです。Aさんのご実家と同等の家を建てようとすると3000万円はかかってしまう。でも、リフォームなら5分の1です」
コロナ以降、月に1~2回程度新幹線で都心に出社するかたちの働き方になっているなら、高崎、軽井沢、新富士などでもネット環境さえあれば仕事ができる。そうしたことから、地方で土地付きの中古住宅を購入する若い層が増え始めているという。
「例えば土地付きの中古住宅を400万円で買い、600万円でリフォームしたとします。そうすると頭金がなくても、月々5万円程度返済すれば完済までに20年かかりません。“自分の城”ってわりと安いんです」(二宮氏)
新築より安価とはいえ、リフォーム費用は決して小さな額ではない。失敗を防ぐため、業者選びは重要だ。一口にリフォームといっても、網戸の張替えから屋根の葺き替え、耐震工事まで作業内容は多岐にわたる。インテリアのことまで相談するとなると、それなりの規模と経験を持った工務店を選ぶ必要がある。