止まらない物価高に加え、トラック運転手不足が懸念される物流業界の「2024年問題」によるコスト増で、今年もさらなる値上げラッシュが続き、家計を逼迫する見通しだ。しかも、光熱費は夏より冬の方が高くつくため、この時期の節約は最重要課題である。しかし、切り詰めているのにまったく結果につながらないと嘆く人は少なくない。お金のプロが後悔している「私がやめた節約」を紹介しよう。【前後編の前編】
節約アドバイザーの丸山晴美さんが指摘する。
「節約だと思ってやっていたことが意味がなかったり、それどころか逆に無駄遣いにつながっていることは多々ある。私も実際に試して“これは無意味だ”とやめた節約はいくつもあります。時代遅れの情報がたくさんあるので、アップデートしないと節約はうまくいきません」
お金のプロが実際に試して「やめた節約」を知り、無駄のないコストカットを行おう。
資材の購入や労力が節約額と見合わない家庭菜園
ちょっとした習慣が“ちりつも”となるのは光熱費の削減。丸山さんはその筆頭格である「コンセントを抜く」ことをやめたという。
「電気プラグを抜くと待機電力がかからず0.5%程度の節電になるといいますが、最近の家電は省エネ設定なので、年間で計算しても節約は数十円程度にしかなりません。1日に何度も抜き差しするとテレビのように電気使用量が増えることも。それなら手間も考えると普段は差したままでいいと思いました。ただし春や秋のエアコンなど、数か月以上使わない場合は漏電対策も兼ねてプラグは抜きましょう」(丸山さん)
そして、丸山さんは「手作りにこだわる」のもやめた。
「節約の定番で紹介されますがパンやクッキー、揚げ物などの手作りは食材が高騰し作るのに時間もかかるため、少量なら手間を考えると買った方が結果的に安上がりです」