ご質問の場合、隣人が廊下に置いた私物を一時撤去しても繰り返す恐れがあるときは、その予防として私物を置かないことを裁判で請求することができます。これらのことは管理組合マターです。管理会社が対応しなければ、管理組合に解決を相談するのがよいと思います。
次に賃貸マンションの場合ですが、共用する廊下を1人の借家人が私的に専用することができないのは分譲マンションと同様です。迷惑隣人に直接注意しても聞いてくれないときは、大家に対処を申し出るのがよいと思います。
大家は借家人が貸家を住居として不足なく使用できるようにする義務があります。そこで、迷惑住人のため住居としての利用に支障があれば、その義務の不履行になり、損害賠償の責任を負うことになります。それを避けるためには、大家は迷惑行為をやめさせる必要があります。
マンションなど集合住宅の賃貸借契約では、借家人に対して、ほかの居住者に対する迷惑行為の禁止等が条件になっていると思います。注意しても迷惑行為をやめない借家人に対して、大家は賃貸借契約を解除し、明け渡しを請求できる立場ですから、強く指導できるはずです。
【プロフィール】
竹下正己弁護士/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2024年1月18・25日号