2024年の元日に発生した能登半島地震は悲惨な爪痕を残したが、東日本大震災などの大災害の後も、日本経済は力強く甦ってきた。そんな日本の「復興力」が世界の信頼を得ていることを示す証左のひとつが、年明けの日本株の値動きではないか。
新年最初の取引となる4日の大発会で日経平均株価は一時770円安を記録した。だが、翌週の9日に33年ぶりの高値をつけると、11日には600円以上の大幅な上昇を見せ、3万5000円を突破した。
2011年の東日本大震災では地震発生後1週間で16.8%も株価を下げたが、今回は大幅な株高に転じている。その理由について、マーケットアナリストの平野憲一氏(ケイ・アセット代表)はこう見る。
「そもそも、現在の日本の株式市場には、株高になる様々な条件が揃っています。東証は昨年、上場企業に『資本コストや株価を意識した経営』を要請し、その進捗状況を毎月公表するチェック体制を強化。さらにPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業にはその是正を求めるなど、海外投資家から見ても投資しやすい環境を整えてきました。物価高を上回る賃金上昇が実現すれば、いよいよ本格的なデフレ脱却も見えてくる。
震災という危機でも日経平均が上昇したのは、投資に適した環境がきちんと育ち、日本経済に力があると世界が認めているからでしょう」
今後の株価の動きについてはこう予想する。
「4日の新年賀詞交換会で大手証券3社のトップは『今年の高値目標は4万円』としましたが、私はもっと上がると見ています。2023年は年間での上げ幅が7369円でしたが、今年はすでに4万円まであと5000円に迫っている。2023年より上昇幅の期待が大きいと考えると、過去最高値(3万8915円)の更新はもちろん、4万円を超えて、4万2000円台まであると私は見ています」(平野氏)