医療費の「負担増」の流れが鮮明になっている。人生100年時代を生き抜くためには、賢く医療費の支出を抑える必要がある。
体調に不安や変化があって病院に行く時、その「かかり方」を見直すだけで医療費の負担を抑えられる可能性がある。
まず知っておきたいのが、病院に行く時間帯によって負担額が変わることだ。営業時間外の早朝や夜、深夜や休日に受診すると診療費が割り増しになるのである。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が解説する。
「営業時間外の夜18時以降や朝8時以前の早朝に病院に行くと、『時間外加算』として初診で850円(3割負担で255円)、休日に行くと『休日加算』として2500円(同750円)、22~6時は『深夜加算』として4800円(同1410円)が余計にかかります」
注意したいのが、夜19時まで受け付ける医療機関でも18時以降は割増料金を取られるケースがあるということだ。
急を要する場合以外は、診療日の平日8時から18時までに受診することが余計な医療費を減らす第一歩となる。
初診と再診で費用が大きく異なるという仕組みもある。病院に行くと必ずかかるお金として、初回時の「初診料」と2度目以降の「再診料」がある。最初に受診してから時間をあけて再び同じ病院に行くケースは特に注意が必要だ。
医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏が語る。
「病院によって異なりますが、同じ症状でも初回の受診から1~3か月以上の一定期間をあけて再受診した際、初診扱いとなり“再初診料”を取られることがあります」
初診料は2880円(3割負担で864円)で、再診料の730円(同219円)の4倍近い。持病があるなど通院期間が長くなる場合は、間隔をあけすぎずに定期的に通院することだ。