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現場仕事のサラリーマンが骨折したら治療期間中の仕事やお金はどうなるのか? 骨折フリーライターが当事者に話を聞いた

中川氏が骨折した時に撮影した左腕のレントゲン写真

中川氏が骨折した時に撮影した左腕のレントゲン写真

休業手当が支給されるまでにはタイムラグがある

 さて、サラリーマンかつ現場に出向かなくてはならないA氏の場合はどうだったでしょうか。A氏は道路メンテナンスの作業をする人の安全を確保するいわゆる「保安要員」で、削岩機やツルハシを使う「ザ・肉体労働」に従事していたわけではありません。とはいっても、安全用のコーンを運んだりといった手を使う仕事は多々あります。そこから仕事はどうなったのか、A氏が振り返ります。

「まず仕事は2か月ほど全休しました。その後、主治医の指示・見解を会社に伝え、受傷部に負担がかからずに従事可能な現場がある場合のみ、部分的に復帰となりました。その点については会社も全面的に協力してくれましたね。

比較的少人数の会社のため、逆に融通が利く、という面は多分にあった気がします。完全にシステマチックに役割や出勤日が決まっているわけではないので、同僚が私の仕事分を補填してくれた面があり、感謝しています。

また、保安員という職務上、比較的動きの少ない現場・業務が多いというのも事実です。これが作業員だったとしたら、やはり大きなケガが完治していない状態での勤務再開は困難だったのではないでしょうか」(A氏)

 骨折は2か月経過しても痛み止めの服用が必要なこともあるほど、とにかく痛い。現場で重い物を運ぶことがある場合、腕を折っていると戦力にならない。脚の骨折の場合、動くことすらままならないため、職場には出られない。A氏の場合、お金はどうなったのか?

「この業界は、自分の会社を含め、いわゆる『日給月給』(1日ごとの給料を1か月の出勤日数にかけてもらう月給)が主流ですので、休業中は基本的に給料は出ません。ただし、労災保険の休業手当が支給されるため、特に困ることはなかったです」(A氏)

「日給月給」の場合、自分が稼ぎたい分はシフトを組んでしまえばいいため、望むならA氏の穴が空いた部分にシフトを入れれば、その人は収入を増やすことも可能です。やる気のある人、お金が欲しい人にとっては、同僚が休むことは必ずしも悪いことばかりではないようです。そしてA氏は休業手当についてこう助言します。

「申請してから実際に支給されるまで、どうしてもある程度の時間がかかるため、その間は無収入となってしまいます。ですから、普段から給料日前なるとカツカツになりがちな人は大変かもしれません。自分は数ヶ月程度の生活費は常時貯えがあるので、支給までそれなりに時間があっても大丈夫でした」

いずれにしても、肉体を使う仕事に従事する人は、病気やケガに対して細心の注意をする必要があるほか、数ヶ月分の生活費を賄う程度の貯金は必要そうだ。

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