甚大な被害をもたらした能登半島地震をきっかけに、日本全国で防災グッズへの関心が高まっている。これまで防災意識が低かった人でも、今こそ我が家の防災体制を整えようと意欲的になっている人も少なくないだろう。だが、いざ行動に移してみると、どこから手を付けていいかわからず、戸惑いや疑問が生じることもあるようだ。どのようなことに悩んでいるのか。準備を進める人たちに話を聞いた。
「スマホの電源問題」多目に準備したものの重すぎる…
IT企業勤務の30代女性・Aさんは、元日に発生した能登半島地震から、防災への備えを意識し「防災リュック」を準備し始めたが、「リュック一つに収まらない」と言う。
「元日に起こった能登半島地震が衝撃的で、関東在住ですが他人事ではありませんでした。慌てて防災リュックの用意を始めたのですが、入れる物が多くて一つのリュックに収まらなくて……。大きめのリュックに入れ替えたら泊まりがけ登山みたいな重装備になり、背負って逃げられるかどうか……。優先すべきものを整理しなくてはならないのでしょうけど、どれも必要な気がして難しいです」
防災リュックを軽量化するため、Aさんが頭を抱えたのは「スマホの電源問題」だ。「どれくらい用意すべきか」迷っているという。
「給電できる手段がいっぱいあった方がいいと思い、いろいろなものを買いました。手回しでラジオやライトをつけられてスマホの充電もできるもの、乾電池でスマホを充電できるもの、ソーラーモバイルバッテリー、大容量モバイルバッテリーなどです。停電時の電気復旧までの時間、避難所でも電源は限られていることを考慮すると、やっぱり多めに準備しておきたいですけど、さすがに全部は重すぎるので取捨選択するつもりです」(Aさん)