2016年に日産自動車の傘下となった後も金曜会に参加する三菱自動車は、パジェロやランサーなどで世界的な三菱ブランドの確立に貢献したが、三菱グループでは「後発企業」であることから序列は低く、これまで世話人会に入ったことはない。2000年代初めに相次いだリコール隠しや2016年に発覚した品質不正など、不祥事も影響しているのではないかと菊地氏は言う。
「三菱は3大財閥のなかでも別格の国際的認知度があるため、『イメージの毀損』はあってはならないと金曜会は考えています。不正問題などグループ全体に悪影響が及びかねない事態が起きた際は、金曜会が介入して経営支援を行なうこともある」
製品に勝手にスリーダイヤを付けることはできない
それだけに、グループのプライドであり象徴でもある「スリーダイヤ」の商標管理は厳格だ。
「製品に勝手にスリーダイヤを付けることはできず、金曜会内部の専門委員会による審査・承認が必要です。ある三菱系企業のトップは『三菱の名前を冠した会社が潰れそうになったら、三菱の冠を外してから潰す』とまで言っていました」(同前)
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