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【ソフトバンクG、トヨタ、SCREEN】大型株が好決算で日本株上昇を牽引 3社の注目ポイントと今後の見通し

2024年3月期第3四半期決算の説明を行うソフトバンクグループの後藤芳光専務(写真:時事通信フォト)

2024年3月期第3四半期決算の説明を行うソフトバンクグループの後藤芳光専務(写真:時事通信フォト)

 日経平均株価は年明けから上昇基調が続いており、史上最高値更新をうかがう勢いだ。そうしたなかで1月後半から2月にかけて、各企業の決算発表が相次いでいるが、注目すべきポイントはどこか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が、大型株を中心に好決算を出している企業3社をピックアップし、そのポイントを解説する。

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 1月後半から2月前半に日本の株式市場では3200社を超える企業が決算を発表した。

 日本株は日経平均、TOPIXともにバブル後の高値を連日更新し、ニュースを賑わせている。今の日本の相場の牽引役となっているのは、日経平均やTOPIXへの組み入れ比率が大きい大型銘柄だ。

 今回は、その大型銘柄の中から、特に注目に値する決算発表を行った3銘柄をピックアップし、株価上昇要因を整理していきたい。

ソフトバンクグループ(9984)

 ソフトバンクグループは今回の決算で最も“サプライズ”だった銘柄の一つだろう。コロナの際に大暴落し2609円の安値を付けてから一転して上昇に転じ、ハイテク株ブームとともに2021年3月には最高値となる1万695円まで株価を上昇させた。ところがそれ以降、アメリカの金融引き締めの影響を受け、ナスダック関連銘柄に多くの投資を行っていた同社は大赤字を繰り返し、株価も下がり続けた。社長兼会長の孫正義氏は、いつの間にか相場から忘れられる存在となっていった。

 そのような中、2月8日に発表された2024年3月期第3四半期決算では、1兆1715億円の黒字決算を発表した。前年同期では5827億円の赤字であったが、そこからの劇的な収益改善であった。ビジョンファンド事業の収益が大幅に改善され、円安の恩恵も受け、2023年3月期第2四半期以来の黒字決算となった。EPS(1株あたりの純利益)は市場のコンセンサス予想に対し364%も上振れしており、決算前にここまでの数字が期待されていなかったこともうかがえる。

 業績が黒字となった要因としては、ナスダックへの上場を果たした英・半導体設計会社アーム・ホールディングスの業績寄与が大きい。アーム・ホールディングスは2月7日に人工知能(AI)への投資拡大による追い風を背景にした好決算を発表し、そこから株価は倍増している。

 孫氏が「これからはAIだ」と言い出したのは今から5年ほど前のことである。まだ、ChatGPTなどの生成AIが全く注目されていなかった時に、「AIの時代が来る」と声高に発言していた。その時には誰も本気にしていなかった時代が今まさに到来しようとしている。その先見の明はさすがだ。

 ソフトバンクグループの株価は決算前の2月7日に6618円であったが、2月8日の終値では7350円、2月9日の終値では7991円と、決算後わずか2日で20%以上上昇している。

 今後、AIによる生産性の拡大が実現していけば、同社の業績、株価はさらに上向いていくと期待する声は大きい。

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