マンション住まいで鳩の糞やコバエなどに悩まされた経験のある人もいるだろう。それに対して管理会社が対応してくれない場合、どうすればいいのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。
【質問】
築40年以上の分譲マンションに住んでいますが、鳩の糞やコバエなどの害虫に悩まされています。殺虫剤をまいても効果がなく、ベランダに洗濯物や布団を干せません。
管理会社に駆除をお願いしましたが、個人でするものだとあしらわれました。毎月の管理費を支払っているのに納得できません。管理会社に責任はないのですか。(70才・主婦)
【回答】
鳩やコバエがべランダに居つく原因としてあなたの居室(専有部分)に思い当たることがなければ、同じような現象が各戸のベランダで起きていると思います。その場合、マンション全体にかかわる問題になります。
管理会社は、マンションの区分所有者で構成する管理組合との契約で管理業務を受託し、その中には通常清掃業務なども含まれますが、マンションの管理委託契約では害虫駆除や野鳥の糞害対策まで入っていないと思われ、管理会社に対処を求めるのは無理でしょう。
しかし、管理組合にマンション全体の問題として取り上げさせることは可能です。管理組合の規約を確認してください。管理規約では、管理組合が共用部分や敷地を管理することになっていると思います。ベランダは、部屋の区分所有者が専用使用しますが、共用部分のひとつですから、通常のベランダ使用に関すること以外の事柄は管理組合が管理することになります。