国内外の旅行需要が高まっている。お得に旅行するために使いこなしたいのが、航空会社独自のポイントサービスである「マイル」だ。国内2大航空のJALとANAは、それぞれのスタイルでサービスを拡充している。両者の特徴について解説しよう。【前後編の前編。後編を読む】
昨年末、60代の赤井さん夫婦は友人の青木さん夫婦(いずれも仮名)と、コロナ明けで久しぶりの沖縄旅行に出かけた。普段はJALを利用する赤井夫妻は、那覇空港で現地集合した青木夫妻がANAを利用していたことから、初めて「マイル」の違いを意識したという。赤井さんが言う。
「航空券が高くて取りにくい時期でしたが、私はJALで貯めてきたマイルを一気に使って特典航空券を購入しました。旅行中、“航空券はマイルで買えた?”と聞いてみると、青木さんはANAのマイルがそんなに貯まっていなかったけど、『SKYコイン』に替えて航空券代金の一部に充てることができたと言っていました。ずいぶん違うやり方があるんだなぁ、と思いましたね」
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は「予約クラスなどで貯まり方が変わる『積算率』や貯めた後の『有効期限』はJAL・ANAで大差はないが、使い勝手は違います」と話す。両社にどんな特徴があるのか。
ANAは手持ちのマイルが少なくても有効活用できる
ANAの特徴としては、冒頭の青木夫妻のように、「手持ちのマイルが少なくても有効活用できる」という点がありそうだ。
航空会社のマイルサービスが他のポイ活と比べて魅力的なのは、特典航空券に換える際に「1マイル=1円以上」の価値を生むところだ。ただ、別掲図の通り特典航空券の利用には最低限必要なマイル数が決まっており、少ないマイルのフライトへの活用は難しかった。