家計

【航空会社のマイルサービス比較】JALは「混雑期も予約しやすい」、ANAは「貯まってなくても有効活用できる」それぞれの特徴

JALは混雑期の便を予約しやすい

 もう一方のJALのマイルの仕組みには、「混雑期の便を予約しやすい」という特徴がありそうだ。2023年4月に始まった「国内線特典航空券PLUS」がそれにあたる。

 従来、年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期には、マイルを使った特典航空券の予約が困難だった。それが追加でより多くのマイル(100マイルから)を投じることで予約可能となる仕組みだ(便に空席がある限り予約が可能)。JALのマイレージ事業部の担当者が言う。

「お客様からの『ピーク期にマイルで予約しにくい』という声にお応えしました。導入後、特典航空券の利用者数は1.4倍に増えており、ご好評をいただいております」

 冒頭の赤井夫妻が年末年始の繁忙期に特典航空券を購入できたのは、この制度があったから。鳥海氏はこう説明する。

「“絶対にその日に乗らなければいけない”という事情がある人は、JALの『特典航空券PLUS』で、マイルを多く使ってでも特典航空券を利用する方法が選択肢になる。ただし、この制度では予約変更ができず、払い戻し手数料もかかる点は要注意です。

 一方、“時期はいつでもいいから少ないマイルで旅行に行きたい”という人は、週替わりで発表される対象路線の特典航空券が購入できるANAの『今週のトクたびマイル』を使うといい。航空券を利用するスタイルによって使い分けを意識するとよいでしょう」

 1マイルで数円分というお得な交換レートになる特典航空券はマイルサービスの最大の魅力だが、JALではやや位相の異なるサービスの打ち出しにも注力している。

「羽田空港での航空教室、操縦席での記念撮影というJALオリジナル体験を3万マイルでご提供しています。『1マイルの価値はプライスレス』を掲げ、新しい価値体験を提供したいと考えています」(前出・マイレージ事業部担当者)

後編に続く

※週刊ポスト2024年3月1日号

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