国民食として人気の高いラーメン店が、苦戦を強いられている。東京商工リサーチによると、2023年のラーメン店の倒産(負債1000万円以上)は、前年の21件から2.1倍の大幅増となる45件だった。2009年以降では最多だ。「新型コロナウイルス」関連倒産も29件で、前年(14件)から倍増している。
背景には原材料費の高騰や人手不足などが指摘されているが、ラーメン界の“1000円の壁”も無視できない問題だ。庶民的なものであるはずのラーメン1杯に、1000円を出せないという人は少なくない。
そうしたなかで、相変わらず行列が絶えない人気ラーメン店が「ラーメン二郎」だ。「結局、二郎のコスパに勝るものはない」という愛好家“ジロリアン”たちに、そう思う理由を聞いてみた。
“1000円の壁”というより“二郎の壁”
「ラーメンには“1000円の壁”というより “二郎の壁”がある」と指摘するのは、20代男性・Aさん(IT企業勤務)だ。
「二郎って、行かない人は絶対行かないけど、行く人は足繁く通う不思議な店。まずその壁があるので、他のラーメン屋さんがなくなって悲しむ人は、そもそも二郎に行かない人なのでは。
もちろん僕にとっても、二郎以外においしくて好きなラーメン店はたくさんあります。でも、最近の物価高で、1000円前後かそれ以上のラーメンも珍しくなくなり、そうなると二郎のコスパの良さが際立ってくるんですよね。
だって、二郎の目黒店は小ラーメン500円。小ラーメンW豚入り(700円)にすれば、チャーシューがどっさりで贅沢な気分になれます。“結局、二郎しか勝たん”っていう気分です」(Aさん)