ビジネス

【自民党裏金問題】「追加納税」報道は批判をかわすためのポーズか 岸田首相は「非課税特権」を手放す気はさらさらない

 自民党の裏金事件のアンケート調査によると、政治資金収支報告書を修正した議員は85人。そのうち安倍派から5年間で2728万円のキックバックを受けていた萩生田光一・前政調会長は「事務所の担当者が机の引き出しに現金で保管していた」と説明したが、修正された政治資金収支報告書では支出の金額や内容欄に「不明」の記載が並んだ。1019万円のキックバックを受けた高木毅・前国対委員長は「会合費」「お品代」などに使ったと修正したが、領収証はなく、金額や支出日は「不明」とした。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。

「裏金を1年も2年も現金で机の中に入れていたとすれば、政治資金という言い訳は通用しない。明白な脱税です」

“やばい”と感じた安倍派幹部らは派閥の解散手続きを行なう「清算管理委員会」で税金を払うか対応を話し合ったという。

「安倍派の議員はキックバックを政治資金として関連団体が受け取ったと政治資金収支報告書を修正したばかりだが、納税すると、そのカネが個人所得だったと認めることになる。今度は修正したことが虚偽記載になってしまうから非常にまずい」(同派関係者)

 党内からは、「オレたちを国税に売る気か」という納税反対論が上がった。すると岸田首相は、裏金議員に納税させる案を検討中という報道について「全く承知していない」と言い放ったのだ。森山裕・自民党総務会長も追加納税は「ありえない」と否定した。

「追加納税案の記事が出たのは批判をかわすためのポーズ。総理も執行部も無理とわかっている。安倍派を揺さぶり、最後は納税しなくていいと恩を売った」(自民党幹部)

次のページ:闇パーティーでも“特権”
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。