政治家に向ける視線は誰も一様に険しかった。政治資金は原則非課税だ。使途が不明な裏金であっても、“政治活動に使った”と適当な領収証を出せば、非課税となりうるのだ。
「政治家は裏金もらっても非課税なんですね。私たちは一生懸命働いて1円まで申告してるのに……」(フリーの音楽関係者)
この先も、国民には数々の増税や“ステルス増税”が待ち受けている。経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。
「政治家が裏金に税金をかけるかどうかでぬるい議論をしているうちに国民の負担はどんどん重くなっていく。インボイス増税に続いて今年1月には生前贈与の課税の持ち戻し期間が延長されて相続税が実質増税になった。社会保険料は、後期高齢者の医療保険料の上限が2025年度までに14万円(年額)も引き上げられるし、それとは別に少子化対策としてサラリーマンや自営業者、高齢者まで健康保険料が国民1人あたり年6000円ほど上がる。
岸田首相は『賃上げで実質負担は増えない』と言っているけど、実質賃金が2年連続で大きく下がっているのに、寝言はいい加減にしろと言いたい。その先は防衛増税で所得税引き上げが待っています」
この際、国会議員の非課税特権なんて全部取り上げるべきなのだ。
(了。前編を読む)
※週刊ポスト2024年3月8・15日号
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