地方の一軒家の実家暮らしから東京のマンションへ
足音がうるさいということは、Aさんが住む部屋の下の階の住人からクレームがあったと考えるのが自然だ。
「管理会社から連絡があった数日後、たまたま大家さん(マンションのオーナー)と話す機会があったんです。その際、大家さんに下の階の住人についてそれとなく聞いてみたら、1か月ほど前に引っ越してきたばかりの、初めて上京してきた人なんだそうです。それまでは地方にある一軒家の実家暮らしで、マンションに住むのも初めてとのことでした」
大家さんも騒音クレームの話は把握していたが、そこまで深刻に捉えているわけではなく、むしろ申し訳なさそうな表情をされたという。
「大家さんが言うには、新しく引っ越してきた住人は、夜に車が全然走らないような地方の一軒家にずっと住んでいたので、東京のマンションにあまり慣れていないのでは、と。少しの音でも気になるのだろう、とのことでした。
大家さんは、『東京の集合住宅では、夜の11時くらいに起きている人もたくさんいるし、多少の生活音は仕方ない。もちろん、深夜に大音量でテレビを見たり、大声で騒いだりするのは困るけど、普通に生活するだけなら大丈夫です』と言ってくれました。
まさかの騒音クレームにかなりびっくりしていたなかで、大家さんにそう言ってもらえてほっとしました。これまで平穏に暮らしていて、これからもずっとこのマンションに住みたいと思っているので、ここにきて住人トラブルというのは絶対に避けたい」