ホールを丸ごと借り切ったファーウェイの存在感
米国から目の敵にされているファーウェイにとって、欧州で開かれるMWCは格好のアピールの場だ。日本の幕張メッセのような広大な展示場には8つのホールがあり、1つのホールに20社から50社がブースを構えるが、ファーウェイは「ホール1」を丸ごと借りている。ホールの真ん中あたりに制服姿の女性がずらりと並んでいる。すり抜けようとすると、呼び止められた。
「インビテーションはお持ちですか?」
「持っていない」というと、案内する女性の1人は申し訳なさそうな表情でこう言った。
「申し訳ありませんが、この先はファーウェイがご招待したお客様しか入れません」
ファーウェイの取引先しか入れないプライベートゾーンなのだ。おそらく開発中の最先端技術が開示されているのだろう。部外者は指を加えて外から眺めるしかない。敷地内の仮設レストランでは、中国から連れてきた腕利きの料理人が作る高級中華が振る舞われると言う。プレゼン用の大型シアターもいくつかあるうちの一つを貸し切り、朝から晩までプレゼンが続く。リストを見ると登壇者は40人を超えていた。まさに通信版の「一帯一路」である。
次のページ:シャオミのブースではEVのデモカーを展示