もう一つは生成AI「ChatGPT」で知られる米OpenAI(オープンAI)との新たな協業だ。両社はすでに協業関係にあるが、今回は通信業界向けの最先端AI(人工知能)ツールを共同開発することで合意した。
楽天のオープンRANとオープンAIのAI技術に関する知見を組み合わせ、通信業界に特化したAIを開発する。目指すのは、携帯ネットワークを構築するときの計画立案や、実際の構築、管理を行う際に生じる問題やその解決法を予測し、自動で対処するAIだ。「自分で考える携帯ネットワーク」と言える。
世界の通信関連企業が集まるMWCは不安定さを増す世界情勢の縮図である。経済発展の鍵を握る通信ネットワークの未来を見極めようとする世界中の人々が競い合い、出会う場所でもある。そんな場所でも日本から乗り込んだ「最後の海賊」は十分に存在感を見せていた。
取材・文/大西康之(ジャーナリスト)