「家計調査」が始まって約80年。収入額や貯蓄額などあらゆるデータが丸わかりの大規模調査だが近年、特に注目されているのは消費支出額ランキングである。町おこしに利用されるなど、その結果に日本中が一喜一憂している。今年2月に総務省が発表した家計調査の最新ランキングをもとに、地元を愛する人たちの「自慢」を聞いた。【全3回の第3回。第1回から読む】
市の担当職員も理由が分からない
「いちばん食べてみたいブランド牛は?」──2023年に阪急交通社が全国の20代以上の男女500名以上を対象に行ったアンケート調査では、1位「松阪牛(三重県)」、2位「神戸牛(兵庫県)」、3位「米沢牛(山形県)」の順だった。
しかし、家計調査で最も牛肉の支出額が多かったのは、この3県のどこでもなく、3万5945円を叩き出した和歌山県和歌山市。同市は過去に何度も1位になっている「強豪」だが、和歌山県育ちで和歌山市の観光発信人をしているタレントでフードアナリストの中川愛海(40才)によれば、「和歌山は魚がおいしいというイメージなので、牛肉で1位というのは正直びっくりです。市の担当職員に聞いても、理由は“?”でした(笑い)」とのこと。
しかしそれは食生活の根幹をあまりにも当たり前に担っていることの裏返しかもしれないと中川は続ける。
「外食といえば焼き肉で、小さい頃は姉妹でお肉の取り合いをするぐらいよく食べていました(笑い)。週末の焼き肉店はいつも混み合っていましたね。また、私は高校時代に上京したのですが、それまで家で作るカレーや肉じゃがに入れるお肉は牛肉がマスト。なのに、東京ではカレーや肉じゃがに豚肉を使っていたので驚きました。
実は和歌山にも『熊野牛』という和牛ブランドがあってきめ細かい肉質で甘みもありますが、さっぱり食べられます。塩やわさびで食べるのがオススメです」