長年、地元で愛されてきたお店が営業を終了すると、常連からすると寂しい思いもするだろう。そこで長く営業してきた店主には、さまざまな哲学がある。佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、今春営業終了するうどん店の思い出と、店主の語録を紹介する。
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3月16日をもって一軒のうどん店が営業を終了します。「おばちゃん」と親しまれた女性店主(79)は1999年、55歳の時に佐賀県唐津市で夫と一緒に営業を開始。近年は夫が大病を患ったためワンオペで店をまわしていました。元気で快活なおばちゃんは25周年という節目と、自身が80歳になることもあり、閉店を昨年から決めていたようです。
私が初めて店に行ったのは去年の6月。岐阜から旅行で来ていた男性とともに馴染みの飲み屋へ行ったところ、居合わせた男性刑事とMC業の女性と4人で翌日、その店へ行くことになったのです。「おもしろいおばちゃんがいる店があるから行こうよ」と誘われました。
行ってみたらまぁ、元気で喋る喋る! この店はうどんとソバがメインですが、酒も飲めます。缶ビール・焼酎・日本酒がいずれも350円。私はビールを頼みました。すると、漬物や田作りを出してくれる。ビールを追加で注文したら今度はカマスの干物を焼いてくれる。居心地がよくて結局2時間もいました。
すると、「手こぎボートを持っているから貸してやる」と言い、私と岐阜の男性と刑事の同僚(後に合流)と3人で、キス釣りに行くことになったのです。そんなおばちゃんの話は、色々おもしろいのでいくつか紹介してみましょう。ビジネスにも役立つ部分があるように思います。