家電には高性能のハイエンドモデルがあるが、家庭用ヘアドライヤーについても同様だ。多くのメーカーが市場に参入しており、おおむね2万~3万円以上の価格帯のドライヤーが「高級ドライヤー」と呼ばれる。購入者のなかには、「もう普通のドライヤーには戻れない」というほど満足している人もいるが、一方で“沼”にハマってしまい、機種選びで想定外の失敗をすることもあるという。高級ドライヤー選びのポイントを探るべく、ユーザーたちに、その魅力と落とし穴について聞いた。
3万円のドライヤーに味をしめ6万円のものに手を出したら…
メーカー勤務の40代女性・Aさんは、数千円クラスのごく普通のドライヤーを使っていたが、「高級とはどんなものなのか」という純粋な好奇心から手に取ったという。
「家庭用のドライヤーなんてどれもそんなに変わらないだろうと思っていたんです。でもずっと使っていた安物のドライヤーが壊れたのをきっかけに、物は試しと、3万円くらいのドライヤーに買い替えました。自分としては、ドライヤーは3000円ぐらいの感覚だったので、割と意を決してという感じです。いざ使ってみると、潤いがある仕上がりにびっくり。感動しました」
「やっぱり高級なものはいい」と味をしめたAさん。それからは、高級ドライヤーを買い替える欲望が止まらない。
「デザイン性に定評があるメーカーの高級ドライヤーを、当時6万円ぐらいで買いました。白とグレーの見た目がおしゃれでお気に入りでしたが、正直性能の良さは、そこまでわかりませんでした。
むしろ風量が強い分、音がめちゃくちゃ大きい。しかも重たく、普通のドライヤーの2倍はあろうかという重さでした。私は髪が長いので、ずっとそれを片手で持って髪を乾かすのが苦痛になり、フリマアプリで売却しました。今度は、細身かつ軽量で折り曲げられる約3万円のモデルを買いました」(Aさん)
Aさんによれば、高級ドライヤーの“沼”にハマってしまうと「もうお手軽ドライヤーには戻れない」そうだ。
「やっぱり乾かした後のツヤ感が全然違うんですよね。でも、私は5万円以上のドライヤーの性能の違いはわからないかも。3万円ぐらいがちょうどいいのかもしれません」(Aさん)