社会人2年目から始まる「住民税の天引き」
ハナコさんの初年度の手取りは約20万円だったが、2年目の6月から住民税が天引きされることを先輩から教えてもらった。毎月1万円ほど手取りが減ると聞き、ハナコさんは焦り始めてしまう。
「ただでさえカツカツな生活なので、1万円減るのはかなりのダメージです。残業代で稼ごうと思ったのですが、残業=無駄に時間を使っているとみなされてしまい、ボーナスの査定に影響するとの噂もあり……。2年目になれば総支給額が上がると期待していたのですが、上がったのは月2000円だけ。理想の生活もこれで終わりだなと感じました」
学生時代に憧れていたキラキラ生活を卒業しようと決意したものの、ジムのパーソナルトレーナーには退会を引き留められたという。その熱意に押され、現在も週1回通っているそうだ。他のジムやサプリメントなどは解約済みとのことだった。
毎月まとまった給料が入ってくる社会人になると、色々なことに使いたくなる気持ちになるのも理解できる。ハナコさんのように天引きされる税金のことを忘れていたり、給料が思っていたより上がらないなどの誤算は珍しい話ではないかもしれない。初任給の使い道を決める際は、自分の生活に支障を来たさないかを長期的に考える必要がありそうだ。
【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。