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トラブル回避の有力な選択肢「相続放棄」にも落とし穴 「手続きの前に親の口座からお金を引き出す」「他の相続人に伝えない」はNG

手順は6つのステップ「相続放棄」の正しいやり方

手順は6つのステップ「相続放棄」の正しいやり方

「次の相続人」にきちんと伝える

 相続放棄のほかに相続で得たプラスの遺産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ「限定承認」というやり方もある。隠れた借金に不安がある場合に有効だが、「相続人全員の合意が必要など手続きが煩雑なため、専門家に相談しながら進める必要がある」(同前)という。

 法定相続人である故人の子が全員相続放棄すると、相続人は第二順位(故人の父母)、第三順位(故人の兄弟姉妹甥姪)へと移行する。

 相続放棄する場合は、「次の相続人」にきちんと伝えることが欠かせない。椎葉氏が語る。

「親族の誰かが知らないうちに負債を返済しなくてはならない状態になっていて、督促状や請求書などで事態が発覚して深刻なトラブルになりかねません。相続放棄したら必ずその旨を次の相続人に伝えましょう」

“相続しない”という決断は有力な選択肢だが、入念な準備と周囲への配慮が必要になる。

※週刊ポスト2024年5月17・24日号

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