男性が意中の女性のために飲食代を負担したり、交際中の女性を喜ばせようとして、何かとお金をかけることはよくある話だろう。とはいえ、男性から“おごってもらった”ことがある女性のなかには、後に飲食代やプレゼント代などの「返金請求」されたことがある人は、意外と少なくないようだ。実際に「お金を返せ」と言われたことがある女性たちに、話を聞いた。
「お前にいくらかけたと思ってんだ」
IT企業勤務の30代女性・Aさんは、交際前の男性からおごられるのを絶対に断るようにしている。そのきっかけになった出来事を振り返る。
「新卒の頃、仲が良かった20歳ぐらい上の職場の上司がいて、よく飲みに連れていってもらっていたんです。その時の飲食代は、いくら私が『払います』と言っても、上司がいつも『いいよいいよ、年上なんだし』『俺のほうが年収高いんだから』などと言って払ってくれていました。
私も一応毎回聞くんですが、毎回おごってくれるんです。私にしてみれば、お父さんが子供の食事代を払ってくれるみたいな感覚だったかもしれません。そんな感じが長く続いたある日、『自分のことを異性としてどう思っているか?』と気持ちを探られました。まったくの想定外で、その上司のことはそういう目で見ていないことを伝えると、顔色を変えて『お前にいくらかけたと思ってんだ!』と激高されました……。
気軽に食事に行っていた私が悪いのかもしれませんが、20歳も上で、役職もある人にそんなこと言われると思ってなかったんです。それまで学生で、そんなに年上の人と接することがなかったこともあったかもしれません。おごったら落とせると思われるのかと思って面倒くさくなり、その一件以来、『絶対に割り勘派』になりました」