元カレに「BeReal」で新居を特定され最寄り駅まで…
「盛らないSNS」として大学生のあいだで流行している「BeReal(ビーリアル)」で自宅が特定されてしまったという人もいる。
都内の女子大に通うBさん(21歳)は、元カレに新居を特定され、最寄り駅まで来られた経験があると語る。
「もともとBeRealは、位置情報がオンに設定されているんです。喧嘩別れしたDV気質のある年上彼氏と付き合っていたのですが、別れた後に相互フォロー状態のままにしていました。その後、一人暮らしを始めて、友達を家に呼んだ時にBeRealを投稿したのですが、その際も位置情報がオンのままだったんです。
そしたら、別れてから3か月くらい経った元カレからLINEが来て、『◯◯駅の方に引っ越したん? 俺の職場のそばじゃん』『今、駅のそばにいるけど会ってもいいよ?』などと連絡が来るようになりました。ストーカー化しそうですごく怖くて、慌てて位置情報をオフにしましたが、もう自宅バレしてしまっているので、彼が直接に家に来ないか、今でも不安です」(Bさん)
友人や恋人の居場所を監視したい欲求
友人や知人の位置情報を把握できるようになったことがきっかけで、“監視したい欲求”が生じるケースもあるようだ。都内の美容室で勤務するアシスタントの女性Cさん(23歳)は、こう話す。
「はじめはSNSで知人や彼氏の位置情報を共有することに抵抗がありました。でも、サロンの仲間たちも『別によくない?』という意見が多く、私の彼氏も『共有しておいた方が安全だから』と勧めてきたんです。当初、自分は他人の居場所なんて興味がなかったはずなのに、いざ位置情報がマップの上に表示されると『あ、この人、既婚者のはずなのに、この時間帯にこんな駅にいるんだ』『◯◯さんと××さんが一緒にいる、仲良いのかな』とか、余計なことを考えるようになってしまって……。
だんだん他人の居場所を監視したい、チェックしたいという欲求が生まれてきてしまったんです。とくに恋人同士の場合だと、一度共有すると、『やっぱりGPS共有はやめよう』とは言い出しづらい。何かやましいことがあるのではないかと懐疑的になりますよね。安否確認の機能はあるけれど、精神的にお互いを縛り合う面も強いと思います」(Cさん)
すぐに会える友達を探したり、家族の居場所を確認したりと、便利な使い方もできる位置情報アプリ。「場所を教えるということは信頼している証」と捉えることもできるが、一方で「恋人や友人を監視したい」という欲求が生まれたり、トラブルに巻き込まれたりするユーザーもいる。
不特定多数が閲覧できるアプリ内でIDを公開せず、また位置情報のオンオフ、公開範囲に注意をすることで、無用なトラブルを回避するよう心がけたい。