中古買取や販売をおこなうリユースショップやユーズドショップを街中で目にする機会が増えている。全国800店舗以上の実店舗とオンラインストアを運営する「セカンドストリート」のような中古買取販売の総合リユースショップや、「古着買取トレファクスタイル」のようにブランド品や洋服、靴やバッグなどを専門に扱うユーズドショップ(古着屋)など営業スタイルもさまざまだ。
また、当初は古本販売のイメージが強かったブックオフグループの「ブックオフスーパーバザー」や、ハードオフコーポレーションが運営する「モードオフ」などでも、現在では古着が販売されている。
かつては「お金がないから」「服に関心がないから」という理由で安価なリユースショップを活用する、というイメージもあった。しかし、最近ではむしろファッションへのこだわりが強い“おしゃれ上級者”の若者たちが、これらのショップを活用しているという。
肩肘張らない「エフォートレス」スタイルの波が古着市場に
都内の古着屋で働く男性Aさん(30代)は、“気取らない”が世界的な若者のトレンドになっていると語る。
「2010年代半ば頃から『エフォートレス』という言葉がファッション業界で流行しています。いわゆる、肩肘張らない、頑張りすぎない、カジュアルスタイルで、“抜け感”が重視されます。2020年代になってからは、スタイリングだけでなくて、おしゃれ感度が高い若者たちの消費の仕方にもエフォートレスの波が訪れています。
節約消費とも言えますが、『安ければいい』『禁欲的』なだけでなく、ユーズドの商品を上手に取り入れて、リメイクなどをしながらファッションを楽しむというのが欧米のインフルエンサーの間で広がったんです。日本の古着市場は、海外からも注目されていて、一つのブランドのような扱いをされていて、海外から古着目当てで旅行に来る方も多いです」(Aさん)
そうした傾向は、街中でファッションスナップを撮影される“おしゃれ上級者”の若者の間でも見られるという。
「たとえばYouTubeでは、日本の若者が洋服にいくらお金を使っているかを街中で調査するチャンネルが話題です。表参道などで、オシャレな若者がどのブランドのアイテムを、いくらで購入して身につけているのかを教えてくれる、非常にトレンド感溢れるコンテンツです。そこでも、最近のオシャレな若者は、一般的な古着屋さんだけでなく、中古買取を行うリユースショップや無人古着屋などを活用していることがわかります。
あらかじめ、目利きが良いものを揃えている老舗の古着屋よりも、安価で種々雑多なモノのなかから、自分のセンスや知識を駆使しておしゃれなアイテムを掘り出す楽しみもあるのでしょう」(Aさん)