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私たちが見てきた“モラハラ夫”の共通点「恋愛経験が少なく妻に感情があることを理解できない人が多い」【堀井亜生氏×中野信子氏】

弁護士として2000件以上の離婚・男女問題にかかわってきた堀井亜生さん

弁護士として2000件以上の離婚・男女問題にかかわってきた堀井亜生さん(撮影/平野哲郎)

モラハラ夫の多くは恋愛経験が少ない

堀井:私が見てきたモラハラ夫には共通点があります。もちろん、この共通点を持ったすべての人にモラハラの素質があるということではありませんが……一流大学卒で、理系が多い。しかも有名企業に勤めているなど、結婚相手の経歴として魅力的に見える人ばかりなんです。

中野:私は東大の工学部から大学院の医学系研究科に進みましたが、全員が全員そうというわけではないけれども、そういった男性が幾人かは思い浮かびます。

 女性が少ない環境ですから仕方がないのかもしれませんが、セックスの相手としか女性を見られず、人間を相手にしているという感覚が乏しいのかもしれません。「セックス」のことばかりが頭にあり「恋愛」の経験がほとんどないのだとしたら、これはどちらにとっても悲劇です。

堀井:そうそう。モラハラ夫の多くは恋愛経験が少なく、驚くべきことに妻に感情があることを理解できていない人が多い。妻が家を出ていってしまった夫はたいてい「全部直すからやり直したいと伝えてくれ」と、妻の代理人である私に言うのですが、どのような部分を改めるのか問うと、「妻がぼくの思いを理解できていないので、もう一度指導する」などと言い始めるんですよ。

中野:「指導する」という言い回しにもうすべてが表れていますね……。

堀井:ほかにも共通点はあって、妻に「仕事をするな」と命じるのは基本。ママ友づきあいも制限しがちです。

中野:外部との接点を絶たれて家に閉じこもり、支配的な人に怒られ続けていたら、ほかの夫婦と比べることもできず、これが当たり前だと思い込み、ひとりで悩んでしまうのも無理はありません。

第2回に続く

【プロフィール】
堀井亜生(ほりい・あおい)/札幌市出身。弁護士。中央大学法学部卒。堀井亜生法律事務所代表。離婚・男女問題の取り扱い実績が多く、『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)のレギュラー出演をはじめ多くのテレビ番組に出演している。

中野信子(なかの・のぶこ)/東京都出身。脳科学者。フランス国立研究所ニューロスピンにて博士研究員として勤務(2010年帰国)。東日本国際大学特任教授。京都芸術大学客員教授。研究・執筆を中心に活動する傍ら、テレビやウェブメディアでもコメンテーターとして人気を集めている。

取材・文/音部美穂

※女性セブン2024年6月6日号

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