転職サービス「doda」が2023年に行った調査によると、4割の人が、昨夏のボーナスの半分以上を預貯金に回したと回答した。
物価や光熱費の上昇により、老後2000万円問題は新たに老後4000万円問題としてもくすぶり続けており、生命保健センターが行った「老後生活への不安に関する調査(2022年)」の中でも、「公的年金や退職金の支給額が不十分」「貯蓄が目減りする」といった、お金に関する不安が多数を占める。
加えて、10年以上続く低金利で、貯蓄もままならない。野村アセットマネジメント「お金を育てる研究所」の記事によると、バブル崩壊期(1990年12月)の金利は、6.08%。崩壊期前はもっと高い利率が提供されていたというから驚くばかり。
たとえば、1970年に100万円を定期預金で預けた場合、15年後の1985年には、預金額が約240万円になっていたという。現在の金利(0.025%)なら、15年後の預金額は100万3750円という計算となる。
銀行は「預けるだけで増える場所」から「お金の保管所」に成り下がったが、いま再びの顧客獲得競争が始まっている。
「大事なボーナスをできるだけ増やしたい。でもリスクは冒したくない」。そんな慎重派の人たちにおすすめの預け先を、専門家に聞いた。
金利の高さではネット銀行に軍配
ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんが語る。
「普通預金の金利は、長らく0.001%でしたが、今春のマイナス金利政策の解除により、ようやくその20倍の0.02%まで上がってきています。この先、金利がどんどん上がるかどうかは日本だけではどうにもならず、世界情勢にも影響されます。しばらくは足踏みしながら上がっていく可能性が高いとみています。
その点で、都市銀行や地方銀行よりも金利が高い、インターネット銀行(以下、ネット銀行)の定期預金をおすすめします」(坂本さん・以下同)
ネット銀行とは、主にインターネットを介して取引を行う銀行のこと。2000年にジャパンネット銀行(現PayPay銀行)が初めて営業を開始して以来、参入が続いている。
「店舗がない分、経費を安く抑えられるため、金利を高くできるのが特徴です」