配当金から年1500万円を生活費に
地方公務員である消防士は安定した給料が保障される仕事なだけに、“早期退職には勇気が必要だったのでは?”と尋ねると、「そうでもなかったですね」と、かんちさんは淡々と答えた。
「もちろん、リーマンショックのようなこともあるわけですが、ここまで増やせたのだから、同じことを続けていれば、経済危機によって減ることがあっても、ある程度想定の範囲内で済むだろうと考えていました」
かんちさんの投資手法では、高配当株を重視してポートフォリオを組む。頻繁に売買を繰り返すのではなく、買った株は“ほったらかし”が基本。激しい値動きになる成長株への投資は限られるため、リスクが抑えられるという考え方だ。
「仕事を辞めた後も、概ね考えていた形で資産は増えていきました。早期退職から3年後の2014年には、リーマンショック直前の資産総額を超えることができました。そのあたりは、アベノミクスによる株価上昇に助けられたところもありました」
早期退職からの13年で資産は約3倍に増え、今年4月時点で資産総額は8億467万円となった。配当金から年1500万円を生活費に回しているという。
「早期退職の直後は、消防士時代の手取り年収額と同じ年800万円を配当金から生活費に回していましたが、それを少しずつ増やしています。ただ、資産が増えたからといって調子に乗ってお金を使わないことをルールにしています。今でも、優待品や優待券を生活に利用して、贅沢しすぎないと決めています。だからこそ、暮らしに大きな不安はないですね」