マイホームは人生の中でも一、二を争う高い買い物。一生に一度の買い物で失敗をしないためにはどうすればよいのか。さくら事務所会長の長嶋修氏がマンションにまつわる様々な「落とし穴」を実例とともにまとめた新刊『マンションバブル41の落とし穴』から、資産性が落ちにくい物件選びのポイントを解説する。
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マンション選びでは、自分の希望になるべく当てはまる物件を見つけることはもちろん大切ですが、将来的に資産性が目減りしづらい物件を見つけることや、高値でつかまないことも重要な観点になってきます。
こうした観点でマンションを見極めるには、次の4点が重要になります。
【1】立地
【2】建物仕様
【3】管理状況
【4】相場妥当性
立地は、人気エリアであることや駅前・駅近であることのほか、近隣に嫌悪施設(ゴミ処理場、火葬場、下水処理場、軍事基地などの近隣にあると嫌がられる施設)がないことや、自然災害のリスクが低いことも判断材料になります。
特に自然災害のリスクについては必ず考慮するべきでしょう。過去に洪水になったことがある大きな河川に近い土地は、外水氾濫のリスクが高くなります。また気候変動によって雨の降り方が変わった昨今、増えているのが内水氾濫です。内水氾濫とは、下水道に一度に大量の水が流れ込んだせいで、許容排水量をオーバーして逆流する水害のことです。
都市の下水道は1時間あたり50~70mmまでの雨水を処理する想定で作られていますが、最近のゲリラ豪雨は「1時間あたり80mm以上の雨」と定義されており、都市の排水能力を大幅に上回っています。ゲリラ豪雨による内水氾濫が起こりやすいのは低地ですが、小高い場所でも窪地などで周囲より低くなっている場所だと、水が集まりやすいので水害のリスクが高くなります。