エヌビディアの時価総額が6月18日、世界首位に躍り出た。時価総額は3兆3300億ドルとなり、マイクロソフトやアップルを上回る世界最大の企業となった。
アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの創業者は既に亡くなっていたり、一線を退いたりしているが、そこまで昔の話ではない。メタ、テスラなど時価総額で上位を占める企業の創業者たちは現在でも第一線で事業を牽引している。
もちろん、イーライリリー、ウォルマート、JPモルガン・チェース、マスターカード、P&Gなど、米国にも創業は遠い昔といった、老舗の大企業は多いが、日本のように大企業のほとんどが歴史のある企業ばかりということではない。経済にイノベーションをもたらし、一国の成長を牽引するのはベンチャー企業である。1990年代以降、日米の経済格差が大きく開いてしまったのは、日本においてベンチャー企業が育たなかったことも大きな要因の一つであろう。
米有名大学を卒業した華人実業家たち
エヌビディアの創業者兼CEOは1963年台湾台南市生まれの黄仁勳(ジェンスン・フアン。Jensen Huang)氏である。1974年に両親とともに米国に移民しており、オレゴン州立大学電気工学科を卒業。その後、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に入社し、チップ設計エンジニアを経て1993年に独立、エヌビディアを創業している。
華人実業家で成功した方々の経歴をいくつか挙げてみると、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏はスタンフォード大学電気工学科のPh.D.であり、テキサス・インスツルメンツ(TI)での勤務経験があり当時、半導体事業担当の副社長まで上り詰めている。また、中芯国際集成電路製造(SMIC)の創業者である張汝京(リチャード・チャン)氏は南メソジスト大学のPh.D.でTIでは張忠謀氏の部下であった。
中国本土の上場企業であるライオンヘッド・テクノロジー・デベロップメント(獅頭科技発展)は6月14日、24歳(2000年5月生まれ)の呉?怡女史が新社長に就任すると発表した。彼女はコロンビア大学の修士課程を修了しており、大学では企業リスク管理を学んだという。