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名字をどうするかという問題に3度直面したオバ記者がつづる「わが姓の遍歴と夫婦別姓」

オバ記者こと野原広子さんが振り返る「わが姓の遍歴」

オバ記者こと野原広子さんが振り返る「わが姓の遍歴」

 夫婦が結婚後もそれぞれの姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓」についての議論が注目されている。そんな夫婦別姓について考えた『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、自身の「姓の遍歴」について綴る。

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 ヒマにあかせてネットを見ていたら、「夫婦別姓を認めない現行の制度は、女性の活躍が広がる中で支障が出かねない」と経団連が指摘した、というニュースが目に飛び込んできたの。

 まぁ、法的な話は私ごときがクチバシを入れることじゃないけれど、思うところはある。私自身、名字(姓)をどうするかという問題が3度、身に降りかかったんだよね。

 1度目は小学校低学年のとき。実父は私が3才に満たないときに亡くなり、学齢前から、母より6才年下の義父がわが家で寝起きするようになったのよ。それで何かの拍子に母親が「どうだ、イケダになるか?」と照れくさそうな顔で言い出したら、瞬時に「そら、子供がかわいそうだっぺな」と祖母が声を荒らげたの。

 イケダは義父の姓だ。母親と私と弟と祖母は全員ヤマザキを名乗っている。結局、義父は私が小学5年生のときに末の弟が生まれたのをキッカケにヤマザキ姓に変更してことなきを得た。

 2度目の姓問題は、24才で結婚したときだ。と言っても、ノハラという結婚相手の名字は出会ったときから気に入っていた私。もめごとが絶えなかったヤマザキという生家を捨てて、「野原広子」という作りものみたいな名前になることに、若い私は酔いしれたのよ。仕事先でも「いい名前だね」とほめてくれた。もっとも、姓が気に入ったからといって結婚生活がうまくいくわけではない。4年後には離婚することになって、もう一度、姓をどうするか問題が起きた。離婚に反対した母親は「いまさらヤマザキになんかさせねーからな」と怒ったけれど、ふん、ハナからその気はないわ! だけど、離婚で抜いた戸籍はどうするか。

「本籍は千代田区千代田1番を名乗ってもいいんですよ」と役所の戸籍課の人は気のない声で教えてくれたけれど、いくらなんでもそこまではね。で、ちょっと考えて、嫁ぎ先と同じ住所に定めたわけ。とまあ、私の姓と戸籍の遍歴はシンプルだけど、わが生家のヤマザキの方はそうはいかない。

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