プラスチックごみを減らす取り組みが世界中で行われている昨今。日本国内でもメーカーが率先して使用済み製品を回収し、再資源化して利用するリサイクル循環が広がっている。
使用済みの製品を回収して同じ種類の製品を製造する「水平リサイクル」に加え、さまざまな技術の進歩により、メガネやおくすりシートなどこれまではリサイクルできなかったものも可能になっている。
企業や自治体と提携してリサイクルを進めるテラサイクルジャパンPR・コミュニケーションズマネージャーの藤原亜希子さんは、次のように話す。
「ほとんどの素材がリサイクル可能ですが、採算が合わないため、そのまま焼却されたり、埋められたりして廃棄され、地球を汚染し続けています。
その一方、新しい製品を作るために新たな原材料が地球から採取されています。環境を、地球を守るには、この負のサイクルから抜け出さなくてはいけません。“捨てる”という概念を捨てリサイクルを推し進めるには、リサイクルしやすいように物を集めて循環させるシステム作りが大切です」
ごみのように何もかも1つの袋に入れずに、単一アイテムを集めることが、リサイクル循環をスムーズにするポイントだ。
たとえば、日本の薬は品質保持と利便性のために1つ1つがプラスチックとアルミで作ったシート(おくすりシートまたはPTPシート)に包まれている。薬を取り出した後のシートはほとんど汚れがついていないため洗浄コストがかからない、リサイクルに適した素材なのだ。
「1つ1つは小さくても、大量に集まればリサイクル効率が上がります。歯ブラシも、スポンジも、アイテムごとに回収できればリサイクル資源として有効に使われ、廃棄処分は極力抑えられるんです」(藤原さん)