為替は21日に1ドル159円台をつけるなど円安ドル高が進んでいる。米財務省は20日、半期ごとの外国為替政策報告書を公表し、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えた。監視リスト入りは1年ぶりとなる。足元の原油価格の下落により、今回の対象期間だった2023年に経常黒字の総額が形式的な基準を上回ったためで、24年4-5月の為替介入を非難する文言などはなかった。ただ、監視リスト入りを受けて、政府・日銀による為替介入はやや実施しにくくなったとの見方もできよう。
21日、神田財務官は「過度の為替変動は経済に悪影響を与える」「為替に過度な変動があれば適切な対応を取ることに変わりない」と円安けん制発言を行った。同時に「米の外国為替報告書は日本のアプロ―チを問題視していない」とも発言。その通りではあるが、イエレン米財務官がくぎを刺していたことを考慮すると、政府・日銀による円買い介入への警戒感は和らいだと考える。投機筋が円売りポジションを積み上げる可能性があることから、円安ドル高が加速する展開も想定できよう。海外売上高比率が高い銘柄の追い風となる。
今週にかけて、国内は、25日に5月企業向けサービス価格指数、4月景気動向指数(確報値)、27日に5月小売業販売額、百貨店・スーパー販売額、28日に5月完全失業率、有効求人倍率、6月東京消費者物価指数、5月鉱工業生産(速報値)などが予定されている。
海外は、24日にNZ・5月貿易収支、独・6月Ifo景況感指数、25日に米・4月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、6月コンファレンスボード消費者信頼感指数、6月リッチモンド連銀製造業指数、26日に豪・5月消費者物価指数、独・7月GfK消費者信頼感指数、米・5月新築住宅販売件数、週次原油在庫、27日に独・5月小売売上高、スウェーデン・スウェーデン中銀政策金利、欧・6月ユーロ圏景況感、トルコ・トルコ中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、5月卸売在庫(速報値)、第1四半期実質GDP(確報値)、5月耐久財受注(速報値)、中古住宅販売成約指数、28日に英・第1四半期実質GDP(確報値)、経常収支、カナダ・4月実質GDP、米・5月PCEデフレータ、6月シカゴ購買協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。