ライフ

【日タイ逆転】増加する訪日タイ人、「体験」を楽しむ富裕層たち 一方でタイを訪れる日本人や日本企業駐在員は減少、“夢の定年後移住”が暗転した人も

「HiSo Japan」では高級旅館や寿司店の予約を代行

「HiSo Japan」では高級旅館や寿司店の予約を代行

日本人街のタニヤで韓国人が目立つように

 一方、タイを訪れる日本人は減少している。タイ観光スポーツ省によれば、2023年にタイに入国した日本人は80万5768人で、訪日タイ人の数を下回った。バーツ高とタイの物価上昇が理由だ。タイはもう、昔のように「安く旅行できる国」ではない。

「昨年末にバンコク中心部には『エムスフィア』という大型ショッピングモールがオープンしました。最新のEVスポーツカーなどが販売され、世界中のトップブランドが集まっています」(井芹氏)

 バンコクにはこうした商業施設が次々に出店し、部分的には東京を超えているとすら感じる。この手のモールで食事をすると300バーツ(約1300円)以上かかる。タイ名物の屋台も値上がりしていて、カオパット(タイ風チャーハン)とコーラで100バーツ(約430円)だ。

 円安の影響は現地の日本企業にも影を落とす。バンコク在住の日系コンサルタントが言う。

「日本の工場がたくさんありますが、材料や部品を加工して日本に出荷するところが多く、円安になると採算が合わないため駐在員も減っている」

 コロナ禍の影響もあり、2020年には8万1187人だった在タイ邦人は2023年になると7万2308人に減少。駐在員もコストカットのため経費が使いにくく、歓楽街から足が遠のいているという。夜街ライターのカワノアユミ氏は言う。

「日本人駐在員向けのクラブが並ぶタニヤ通りやゴーゴーバーで女の子を連れ出すと、以前はショートタイム2500バーツ(約1万1000円)ほどでしたが、今は3500バーツ(約1万5000円)ほどです」

 加えて飲み代、ホテル代がかかる。「安い遊び」ではないと敬遠するようになった日本人に代わり、中国人と韓国人が増えているという。

「日本人街のタニヤで韓国人が目立ちます。韓流コンテンツの影響で、タイ人女子に韓国人は人気ですね。日本人はあまり相手にされていません」(カワノ氏)

次のページ:“夢の定年後移住”が暗転

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。