祖父母側の本音「お金がほしくなるのは“負担”だと感じた時」
実際、祖父母側からは「孫の世話を当たり前に頼まれるのは辛い」という本音も聞こえてくる。
「孫はかわいいけど、正直なところ、こちらの体力がついていかないのが本音です。食事のご機嫌をとるのも一苦労。足腰などの体力面も厳しいし、親の教育方針と違うことをしてしまったらどうしようとか、自分の子以上に気も遣う。正直、帰った後ぐったりします」(10歳と5歳の孫がいる70代男性)
「働いている人に比べたら“しょうもない”ことかもしれませんが、出かける、友人に会うなど自分自身のやりたいこともあるなかで、それが犠牲になる面はあるでしょう。子育てが終了したんだから、旅行に行くなど自分自身の余暇を楽しみたい。孫の世話を頼まれても、無理な時は無理だと言います」(7歳と2歳の孫がいる60代女性)
0歳の孫がいる50代の宏さん(仮名)は、「誕生日やクリスマスには奮発してしまうし、『遊びに連れておいで』とは言いますが、責任を伴うこと、面倒なことはもうしたくないのが本音」としたうえで、「駆け込み寺として頼られること自体は嬉しいもの。個人的にそこに金銭は発生しませんが、お金が欲しくなるのはやはり“負担”だと感じた時です」とも。
「孫の面倒を見るのが負担になってくると、結局金銭でしか解決できないと思うんです。お金に困っているというよりも、気持ちの問題ですよね。だってどこかに預けたり、ベビーシッターを頼んだりしたら、相応のお金がかかるわけですから」(宏さん)
孫の面倒をタダで見るかどうか。関係性や価値観によって意見は分かれるが、お互いの気持ちについて相応のコミュニケーションをとっておくことは必要かもしれない。(了)