幼い子供を、自分の両親や義両親に預けるのは、「有償」なのか「無償」なのか――。先日、5歳の娘と0歳の息子を育てる父親のXでの投稿が注目を集めた。風邪を引いた長女を病院に連れていくため長男を義両親に預けたところ、後から「ベビーシッター代1万円」を要求されたというのだ。
この投稿は900万回以上表示され、「家族なのに信じられない」といった声や、金額に驚く声、また「請求は妥当と考えても、終わったあとにいうのはちょっとどうかなと思います」と請求方法についてなど、さまざまな意見が寄せられている。昔からネット上では「孫の世話をお願いする場合、金銭が発生するのかどうか」という話題は絶えない。
都内の金融機関に勤める和美さん(仮名・30代女性)は共働きで、5年ほど前にマンションを購入。当初から「何かあったら孫の面倒をみてもらいたい」という考えのもと、自身の実家に近い場所で家探しをしたという。そして実際に2人の子供が生まれ、何度か実家に子供を預けたことがあるものの、今では「気軽にお願いしすぎていた」と振り返る。
「正直、両親がいなかったら働きながら子育ては無理だったと思えるほどお世話になりました。お菓子のお礼を持って行ったり、お中元やお歳暮など、日頃の感謝を伝える挨拶には気を遣っていました」
“ベビーシッター代”は特に払っていなかった和美さんだが、両親の“異変”を感じたのは、幼稚園にあがった下の子を預けたある日のことだ。
「いつもご飯は家で食べていたのに、突然ファミリーレストランなどで外食をするようになったんです。何気なく、妹に会った時にそのことについて『贅沢だね』と話したら、実は母は妹に『ご飯を用意するのが疲れた。でも和美だって頑張って働いているんだし、協力はしたい』とこぼしていたらしいんです。
両親が私にお金を要求することはありませんでしたが、負担を強いていたんだなと。それ以来、よほどじゃないと親を頼ることはやめました」(和美さん)