7月1日、50人以上の報道陣を前に経済界を驚かせるニュースが発表された。
「健康寿命と寿命のギャップがあり、介護やお金の心配で高齢化に対する不安が大きくなっている。高齢化をポジティブにとらえられる社会を目指したい」
「より効果的な疾病対策や健康になるような行動を促していきたい」
こう指針を掲げ、笑顔で握手を交わしたのは、保険や介護を手がけるSOMPOホールディングス・奥村幹夫グループCEOと、ヘルスケアやジムなど健康事業を展開するRIZAPグループ・瀬戸健社長だ。SOMPOからRIZAPへ300億円の出資による大型資本業務提携の意図はどこにあるのか。
目的は「運動という概念を変えたい」
瀬戸さんに話を聞くと、超高齢社会、人口減少社会で目指す「生き方」「暮らし」「健康長寿を叶えるための方法」が見えてきた。
これまで井上和香(44才)や大神いずみ(55才)、佐藤仁美(44才)などが、“たるんだぶよぶよの体”からスラリと引き締まった“美ボディー”に変貌を遂げるCMで、一躍世間に名が広まったRIZAP。しかし、いま主力となり話題になっているのは、こうしたパーソナルジムではなく、24時間いつでもどこでも利用できる「コンビニジム」を謳う「chocoZAP」だ。
一時は年200億円に迫る巨額の赤字を出しながら、先行投資で店舗を次々と拡大するのは「必ずリターンがある」という確信と、「社会にとって必要」だという理念から。46才という気鋭の起業家でありながら、経営の王道を大きく逸する攻めの経営手腕は大きな話題となり、“業界の風雲児”と呼ばれる存在となった。瀬戸さんが話す。
「会員になれば24時間365日、いつでもどこでもジムを利用していただけます。トレーニングマシンが使い放題のほか、店舗によってカラオケやランドリー、ネイル、エステなど多様なサービスも活用していただける。2022年にブランドをスタートして以来、この2年間で47都道府県に約1500店舗まで拡大できました」