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給料は上がっても「実質賃金低下」でトホホな人たち 憧れの東京勤務で家賃高騰、ロンドン駐在員は物価高と為替安のWパンチ

働けど働けど、暮らしはラクにならず…(イメージ)

働けど働けど、暮らしはラクにならず…(イメージ)

 物価の上昇が生活を圧迫するなか、最近のニュースでしばしば取り上げられるのが「実質賃金の低下」というキーワード。賃金が上がっても、物価がそれ以上に上がっている状態を示す言葉で、厚生労働省は7月8日、5月分毎月勤労統計を発表し、実質賃金は26か月連続でのマイナスとなった。ただこうした全体概況とは関係なく、会社員生活を送っていれば、転勤や転職などで実質賃金が低下する羽目になることはいくらでもある。

 長年の地方支社勤務から7月に東京に転勤になったSさん(30代/男性)は、東京の物価の高さに見事に翻弄されている。

「生まれて初めて東京で暮らすことになり、あまりの家賃の高さに唖然としています。地方では1DKや1LDKの部屋が月4万~5万円で借りられましたが、都内で同じような物件を求めれば、10万円にも手が届く勢い。我が社は住宅補助が全国一律なので、手取りは一気に減りました。友人からは『住宅手当があるだけマシ』『今までラクをしていただけ』と言われますが、本社への異動は世間的には栄転でも、個人的には悪夢です」(Sさん)

東京駅近の最新オフィスのランチは予算オーバー

 東京の物価の高さは言わずもがな。派遣社員として金融機関で働くTさん(40代/女性)は、昨に転職したばかりだが、現在は“東京のど真ん中”で働く恐ろしさを存分に味わっている。

「私は派遣社員として、東京駅から目と鼻の先の最新オフィスビル内の会社で働いていますが、オフィスはピカピカで快適でも、ランチが地獄。ビルにはレストランが数十軒入っていますが、パスタが2000円近くだったり、コーヒーが800円したり、とても手が出ません。

 周辺には良心的な値段の店もありますが、激混みで昼休み時間中に戻れない可能性があるので無理。キッチンカーでさえ私には予算オーバーなので、基本的にコンビニ飯になりますが、そうはいってもコンビニが混んでいたり、食べたいものがなかったりでたまにビル内のレストランで食べちゃうんですよね。前の会社より給料が上がってもランチ代で飛んでしまっているので、複雑な気持ちです」

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