任天堂の快進撃で誕生した“観光名所”
海外の市場で強さを発揮する京都企業は多い。『経済界』編集局長の関慎夫氏が解説する。
「京都の企業には、“世界で食べる”というDNAがあります。海外売上比率は村田製作所が9割、京セラが7割を超えている。両社は東南アジアでの電子部品新工場の稼働を進め、さらなる生産能力の拡大に動いています。
任天堂は、ゲームのみならずキャラクタービジネスでも攻勢を強め、2023年4月に公開された映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は米国を中心に世界的に大ヒットとなった。興行収入は2000億円を超え、2026年に続編が公開されることが決まりました」
任天堂の快進撃により、京都には海外からの旅行客の新たな“観光名所”まで生まれている。
昨年10月、四条通寺町にある京都高島屋S.C.(T8)の7階にオープンした直営オフィシャルストア「Nintendo KYOTO」である。記者が訪れると、店内は満員状態。とりわけ外国人観光客の姿が目立った。
「平日は9割が外国人観光客です。直営店は東京と大阪にもありますが、『創業地の京都だけにある限定商品を買いに来た』という声が多いですね。店内装飾にはゲームキャラクターの原点であるドット(ピクセル)やグリッドをモチーフとして取り入れており、それらを見るために海外から京都を訪れたという方もたくさんいます」(販売担当者)
古都の観光名所は神社仏閣が定番だったが、ゲーム好きの外国人が“聖地巡礼”に訪れるスポットも加わっているのだ。