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阪急阪神HD角会長の窮地で「阪神タイガース」はどうなる 元球団社長が「もともとは不倶戴天の敵」と明かす“阪急と阪神の因縁”

今後の監督人事にも注目が集まる(岡田彰布・監督/時事通信フォト)

今後の監督人事にも注目が集まる(岡田彰布・監督/時事通信フォト)

 阪急阪神ホールディングス(HD)代表取締役会長兼グループCEOの角和夫氏(75)が、株主総会で大きな批判を浴びたことが波紋を広げている。角氏は2022年オフ、阪神の岡田彰布氏(66)の監督復帰を後押しした人物とされるが、角体制に揺らぎが生じることで、今後の阪神タイガースの運営にも影響が出るとの見方が浮上している。

 阪急阪神HDの株主総会は今年6月に開かれた。岡田阪神が誕生した昨年は株主から角会長に対し、「岡田さんを招聘していただき、心から感謝申し上げる」といった言葉まで飛び出したが、今年は一転して角会長を追及する声が集中した。全国紙経済部記者が言う。

「岡田阪神について責める意見ではなく、昨年9月に傘下の宝塚歌劇団で起きたパワハラによる劇団員の自死事件で批判に晒されました。角会長は冒頭に謝罪したが、これに納得できない株主の発言が相次いだ。角会長自身、近々退くことを示唆し、『来年まではこの体制で』と発言。角体制の弱体化で各方面への影響があるのではないかとみられています」

 注目されるのが、HD傘下のグループ会社の一つである阪神タイガースに対する影響力の変化だ。

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阪急主導人事だったとされる岡田監督就任

 2006年10月の阪急と阪神の経営統合時には、「阪神タイガースの経営は今後も阪神電鉄が行なう」という条件があったとされ、その通りに阪急側は阪神タイガースの人事に口出しせずにきたが、潮目が変わったのが2022年オフ。岡田氏が阪神の監督に就任したのは、阪急阪神HD主導の人事だったという。

「阪神球団は当時二軍監督を務めていた平田勝男ヘッドコーチの昇格で一本化を決めていたといいますが、阪急出身の角会長は岡田監督を推した。統合から14年目にして阪急グループのトップが初めて阪神の監督人事に口出しをしたと話題になりました」(同前)

 同年オフに阪神タイガースのオーナーに杉山健博氏が就任したことも大きな波紋を呼んだという。

「杉山氏は阪急電鉄の企画畑出身で、角会長の後継とも目される人物です。そのうえ、趣味はスポーツ観戦。特に高校野球が好きだと公言していた。角会長以上に甲子園や阪神タイガースに口出すのではと見られていました。企業規模などの力関係だけでいえば阪神は阪急に軽く飲み込まれてしまう存在。当時の球団関係者には『いよいよ阪急主導になるのか』という感じで映っていました。しかし、ここにきての角体制の弱体化で『阪神球団側が力を取り戻すこともあり得る』との見方も出ているのです」(同前)

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