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阪急阪神HD角会長の窮地で「阪神タイガース」はどうなる 元球団社長が「もともとは不倶戴天の敵」と明かす“阪急と阪神の因縁”

岡田監督のタオルが大きく掲げられている

岡田監督のタオルが大きく掲げられている

同じ区間の旅客輸送でライバル関係

 同じグループ内にありながら、今なおそうした路線の違いが囁かれるのは、合併前からの阪急と阪神の長きにわたる因縁があるのが一因だろう。阪神電鉄の線路全長が約50キロに対し、阪急電鉄は同約150キロと3倍。大阪と神戸間を結ぶ阪神に対し、阪急は大阪と神戸、宝塚、京都を結んでいる。

 両社とも主軸とする大阪(梅田)と神戸(三宮)を結ぶ神戸線が平行に走っていることで、乗客を奪い合ってきた好敵手とも言えた。それだけに、かつての両社のライバル心は尋常ではなかったという。1965年に阪神電鉄に入社し、2001年から2004年まで阪神タイガースの球団社長を務めた野崎勝義氏が語る。

「阪神にとって、阪急は不倶戴天の敵でした。例えば阪急にも阪神にも三宮の手前に春日野道という駅がありますが、これが象徴的です。三宮まで延伸することになった阪急は高架で乗り入れ、すでに路線があった阪神は地下でつなぎました。阪神は地下化に伴い廃止したが、周辺に工場が多かったことで、阪急がいきなり春日野道駅を新設すると発表した。

 これに対抗してすでに地下化を進めていた阪神も春日野道の駅を作ろうとしましたが、高架に比べて地下道で駅のホームを作るのは簡単ではなかった。なんとか日本一狭いホームの春日野道駅が出来上がった。このような形で大阪・神戸間の旅客の輸送でしのぎを削るライバル関係が構築されてきました」

 かつての阪急ブレーブスの本拠地・西宮球場と阪神タイガースの甲子園球場も目と鼻の先にあった。「1リーグ時代に阪急と阪神の公式戦があって、阪神側が負けるとペナントレースの勝ち負けに関係なく、監督のクビが飛んだ時代もあった」(前出・野崎氏)という。

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